日本社会論演習レジュメD |
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2 江戸時代の日本社会 A 再生産の仕組み
1.領主の経済 1.1 領主の収入 本途物成(ほんどものなり) 米・麦、一部貨幣 小物成 (こものなり)農産物、水産物、林産物、手工業品 労役 (ろうえき) 土木建築、運搬 1.2 領主の消費経済 蔵物(くらもの)の売却 大坂・江戸の蔵屋敷米を、蔵元・札差が仲介 納屋物(なやもの)の販売 城下町で禄米を販売 武具・消費財の購入 1.3 領主経済は単純再生産 拡大再生産の条件 余剰⇒貯蓄⇒投資 新田開発に投資すれば拡大再生産 現実には、余剰=年貢⇒大部分は消費 投資がなければ、単純再生産 2.農民の経済 2.1 農民の生産活動 @ 生活必要分=家族の消費分+翌年の生産に必要な生産財(種子、肥料、農具) 自給品 肥料: 堆肥、厩肥、屎尿、刈敷き 農具: 竹篭、かます、木製農具 購入品 肥料: 植物油粕、魚肥(干鰯、鰊粕、胴鰊) 農薬: 鯨油 農具: 鉄製農具 A 年貢分=余剰分 2.2 農民の消費生活 自給自足 衣: 麻、木綿 食: 雑穀、野菜 住: むしろ、薪、家具、建物修理 購入商品 衣: 古着 食: 塩 住: 鉄製器具 2.3 農民の経済も単純再生産 一般農民は、余剰の取得が困難⇒貯蓄が困難⇒投資が困難 農村余剰は寄生地主が取得 地主余剰は、土地取得に向かうが、農業投資には向かわない 3.江戸はリサイクル社会 3.1 江戸のインフラ 上水道 屎尿処理 塵芥処理 3.2 リサイクル・システム 回収業 紙、蝋、灰、ぼろ布 |