日本経済史 シラバス21 17 高度経済成長の終焉 |
1 高度成長の終焉 1971年 ニクソン・ショック( ドル・ショック) ドル金交換停止→'73.2 変動相場 制 IMF体制(金ドル本位制)の崩壊→金という錨の消失 →カジノ資本主義 1973年 オイル・ショック←第 4次中東戦争 1974年 実質GNP成長率マイナス1.2% 1979年 第2次オイル・ショック←イラン革命 資源価格の上昇 他の要因 技術革新の一段落 労働力供給の限界 →スタグフレーション 2 日本経済の相対的高成長 輸出寄与率 '70→'75年24.2% '75→'80年25.4% '80→'85年37.7% 国際競争力の源泉 品質の優秀性 製品コストの低さ 円安 賃金コストの低さ 高い労働生産性・低い賃金指数上昇 ←会社主義 終身雇用・年功序列型賃金体系 企業別組合 職員・工員平等化 社員内部昇進型経営陣=企業への労働者の包摂 →オ−トメ化の円滑な推進 QC運動
ジョブ・ローテーション・OJT による多能工化 日本的生産方式 多品種少量生産に向く←消費者需要の多様化 トヨタ方式 Toyota-ism, Toyotism (←→ Fordism)lean-production system 3 バブルの発生 1985年G-5プラザ合意 ドル安=円高 1j=250円前後→150円前後 円高不況対策 1986年中曾根内閣 6兆円経済対策 円高抑制政策 金利引下げ4.5%→2.5% 過剰流動性の供給→景気回復→バブル発生 株価'85年1万3千円→89年3万 8915円 約3倍 地価(6大都市商業地) '85年25.6→90年104.5 約4倍 4 バブルの崩壊 1989年5月公定歩合引上げ開始 90年( 湾岸危機) 6%に 1990年土地基本法・地価 税導入 不動産融資総量規制 株価崩落'89年12月 3万8915円→'92年8月 1万 4309円 地価下落 '90年104.5→'98年3月25.6 5 日本経済の低迷 経済成長率 1989年4.4 90年5.5 91年2.9 92年0.4 93年0.5 94年0.6 95年3.0 96年4.4 97年-0.4 / 97年0.2 98年-0.6 99年1.4 00年1.0 01年 4-6月–0.8 円レート 1990年4月159.95円→95年4月80.25円 →円安150円→円高102 円 バブル後遺症 不良債権・債務→金融システムの不安定化・弱体化
1995年コスモ信用組合・兵庫銀行・木津信用組合 96年太平洋銀行・阪和銀行 住宅金融専門会社の処 理(住宅金融債権管理機構6800億円の公的資金投入)
97年日産生命・三洋証券・北海道拓殖銀行・山一証 券 98年日本長期信用銀行・日本債券信用銀行・日本リース 2000年千代田生命・協栄生命 金融立法 1996年金融3法 預金保険法改正・金融機関更生手続法・金融機関等経 営健全性確保法( 早期是正措置) 1998年金融再生法・金融健全化法( 資本注入) 消費の低迷 逆資産効果 1000兆円喪失 消費性向の縮小←将来への不安 雇用不安、年金問題、少子高齢化 投資の減退 国際競争圧力 資本主義経済圏の拡大=Grobal (Mega) competition 過剰生産能力の堆積 新産業分野への出遅れ←規制緩和の遅れ 金融機関の貸し渋り アジア経済の混乱 1997年夏 アジア通貨危機 経済政策の効率低下 公共投資の需要創出効果は限定的 1992〜96年に70兆円 減税 将来の増税を見越す消費者は消費を拡大しない 赤字国債 将来の増税 マンデル・フレミング効果( 国債発行増→外資流入→円高→輸出減退) 債券価格低下→長期金利上昇→景気回復阻害 参考文献 中村隆英『現代経済史』 岩波書店
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