北京滞在記 8月 その1

8月22日

6:40、元に送ってもらって駅に。日暮里7:31の京成特急で空港第2ターミナルに。出発ロビーのクロネコ便カウンターで荷物2つをとって、航空券をもらってチェックイン。カード・ラウンジでコーヒーを飲みながら日経を読む。出国チェックでは、バッグを開けるハメになった。ドッジ・ペーパーと資料コピーがバリアーになって中身がはっきりしなかったためで、恵子は、詰め直しに一苦労。アスカ・ラウンジで、レミーを2杯楽しむ。

11:2530分遅れで東方航空MU508便は離陸、エコノミーはかなり乗客がいるがビジネス席は我々の他は1組だけで、アテンダントのサービスは過剰気味。離陸を待つ間はヘネシー、ランチにはボルドー。機内食は美味しい部類。食後、昼間なのに灯を消して窓を閉め夜間態勢になる。テレビが正面の1スクリーンだけで、イヤホーン無しのせいかもしれない。安上がりに飛ばしている。

瀬戸内海から対馬海峡を越えて韓国上空に入る。中国機が韓国領空を飛び始めたのはいつからなのだろう?ドッジ・ラインなど書いているから、つい1950年が頭に浮かんでしまう。韓国の川は相変わらず茶色だ。高速道路も伸びている。

3時間ほどのフライトで北京着。エプロンが開くあいだ、アテンダントに聞くと、大卒だが高卒の娘もいるとのこと。中山美穂に似た美人で、英語も上手い。彼女たち、着陸態勢に入って着席している間も、じつによくおしゃべりをしている。欧米系の飛行機ではあまり見かけない風景だ。

北京空港では重いバッグがなかなか出てこないので、迎えの北京日本学研究センターの畔上さんに待ってもらう。先着の和栗さん、篠崎さん夫妻と一緒に、次の便の樋口一家を待って、センターの小型バスで友誼賓館に向かう。

625棟の37号室に入居。専家食堂で、みんなで夕食。8:30、元を迎えに畔上さんと空港へ、センターの乗用車で出かける。車中、中国の人たちは何が欲しいのかという話で、やはり物質的な豊かさだという。政治的自由は、当面はあまり対象にはならないらしい。経済成長が続く間はそうなのだろう。格差は拡大するが、成長が続く限りは底辺部分も豊かになるのだから。その後が、本当の問題だ。

元、定時着。帰室して、ホテルのスーパーマーケットで買った缶ビールで乾杯。缶ビール(355cc)は3〜4元。北京ビールは、アサヒの子会社とは、元の話。なるほど、北京朝日[口偏に卑]酒(ビール)有限公司と書いてある。

眠いので早寝。

 

8月23日

朝は、人民大学裏の小南村まで散歩。犬の散歩が多いのにはビックリした。以前は狆系が主流だったが、西洋犬系のミニアチュア犬を連れている人が多い。個建て住宅地ではなく、かなり古いアパート地帯だから驚く。部屋で飼うのは自由なのだろうか。

朝市は、規模は小さいが品揃えはまあまあ。馬に牽かせた西瓜屋、太刀魚の切り身を売る魚屋、枝豆・3尺ササゲ・ニンニク・トウモロコシ・トマト・ジャガイモetc.を売る農家などで賑わっている。

朝食は本楼でバイキング。@55元のところ、専家割引で@50元。朝市で見かけた糸豆腐の煮物が出ていた。卵コーナーで、チーズ・オムレツを作ってもらったが、徹底的に火を入れるので固くなりすぎ。

10:00から元が畔上さんに連れられてベッドを買いに行く。4人家族の樋口さんも買うので、特売品をさらに値切って、なんと1台500元、寝具を付けて680元で購入できた。驚くべき安さだ。この間、チャイナネットとの接続を試みるが不成功。Gricでローミング接続したが、ネットとメール受信はできたが、送信が利かない。ネットから入っての送信はできるが、いささか不便だ。

昼食を専家食堂で取ろうとしていたら樋口さん達と一緒になったので合流。昼からビールを飲むので、坊やたちはあきれ顔。電話でベッドがとどいたとの知らせで元が行って荷受け。帰ると結構なベッドだ。2セットを配達したのは中年の男性がこぐ1台の3輪荷車。近いところの家具モールからだが、さすが中国だ。

5:20集合で、九花山北京ダック店へタクシー。近頃、全聚徳より評判の店とのこと。コースと飲み物で@195。代田主任、清水副主任一家と新任者で、総勢17人(子ども5人)。アヒルの舌入りのスープなどなかなかの品揃えだが、最後のスープは、全聚徳より劣る。

 

8月24日

昨日の約束で7:00に樋口悠野くん(小学校6年生)と朝市に出かける。着いたときはもう片付けかかっていて、目当ての枝豆は無く、馬車も帰ってしまっていた。桃を六,七個5元、西瓜を3.5元で買ってから、村の売店でハミウリを8.5元、饅頭五個2.5元、生ピーナッツ1元を購入して村外れからタクシーで帰る。西瓜・ハミウリが悠野くんの中国初買い物。美味しければいいが。

朝寝のあと、小物を買いに一人で出る。金物が欲しかったのだがここらは小店が無く、商場に入ってもホームセンター的な売場はなかった。ちまき・スペアリブ・焼鶏・肉団子(合計48元)、長城ワイン(51元)を買って、昼食。

留守中、天津社会科学院の郭先生から電話があったとのこと。法政大学にいらした仙波先生から伺った電話番号にかけるが不通。昼寝の後、元がメールを設定するが、やはり送信ができない。

夕方、バルコニーに出た恵子が、涼しくなったというので外出。バス(@1元)で西直門、地下鉄(@3元)で復興門乗り換え天安門東駅下車、天安門へ。地下鉄の暑さは異常。車中で、二人の子どもが物乞いをしている。跪いての行為。この国の最末端。

天安門への入場時間は過ぎていたので、世界遺産の門まで行ってUターン。6:30、衛兵交替の時間で天安門は一時交通遮断。待つことしばし、門をくぐって左折、王府井へ歩く。相変わらずの賑わい。マックでソフトクリーム@2元。

美食坊夜市で、餃子(10個5元)、焼き肉2串(@5元)、焼きそば(5元)、焼き餅(5元)、葱餅(5元)を買う。サソリは5匹1串が15元と高い。コオロギも同じ値段。ヒトデも、サナギも何でも有り。タクシーで帰って32元、動物園のそばに家楽福(カルフール)がある。買い物で夕飯。長城ワインは、軽め。

郭先生から電話で、天津でお会いすることにする。今日は、南開大学の沈先生からの電話で、南開大学の専家楼宿泊可能とのことだった。

 

8月25日

朝は北京理工大学村へ買い出し。野菜類は荷下ろし中の露店もあり、豊富。トマト5個1.7元、枝豆500gくらい1元、カリフラワー大1.5元、豆乳1000cc0.8元、揚げ饅頭3個1.3元。校内の広場の太極拳は相変わらず盛んだが、ジョギングが目立つのが新しい。道路にもジョッガーが沢山いる。畔上さんの話では、サーズ流行中に、抵抗力を付けるための屋外運動が盛んになり、消費財売上げが落ちるなかで、運動用具だけはどんどん売れたそうだ。ジョギングもダイエットではなく、サーズの名残に違いない。バドミントン、ピンポン、凧揚げも流行ったとのこと。

9:00、バスでセンターへ。パソコン関係は元に頼む。センターは8億5800万円のODAで建った立派なもの。和室・同時通訳付き国際会議場・研究室・教室・パソコン室・マルチメディア室そして図書館がずべて新しくて綺麗だ。図書館は、文科系は充実しているが、社会科学系はまだかなり不十分。

ネット接続やセンターHPに関して問題点を元が見つける。ふたつあるHPについては、一つを削除することを勧める。センターのウエッブ管理体制は、かなり混乱している可能性がある。メールの海外送信が不安定なので、新しいホットメールを開設して送信することにする。

1:30、センターを出て帰室。あり合わせの昼食後、家楽福(カルフール)へ買い物。動物園近くの店で、ビール、ワイン、食材、スニーカー、掛け時計などを購入。

5:30、人民大学の李平ご夫妻と待ち合わせて、九頭鷹レストランで会食。湖北系の料理で、新しいものが多かった。川魚の薄切りを串でさして揚げた上に豆醤あんを掛けた皿、豚肉をお焦げの米で煮込んだ皿などは特に珍しかった。奥さんに院生の授業に顔出すことを約束。人民大学の孔子像は誰かからの寄贈品とのこと。

ご夫妻が双安商場の家庭用品売場まで案内してくれてコーヒーフィルター紙を訊いてくださったが小さいサイズしか無い。ガラスのポットが欲しいので見たが、割高で見送り。再会を約してお別れ。

 

8月26日

朝は、恵子と理工大の市場に買い出し。アスパラガス、ニンジン、殻付きピーナッツ、丸なす(0.8元)、里芋、西瓜(8元)、ライチー、小包子を購入。ライチーの一束が32元を高いと感じるのは中国的金銭感覚が身に付いてきた証拠?

昼前に、秀水市場にタクシーで出かけるが、運転手が道を間違えて日壇公園まで来てしまった。歩いて日本大使館前を通るが、向かい側に並ぶ旧共産国大使館に比べると、正面の見かけは良くない。秀水市場は相変わらずの人出。名刺入れが目当ての元は、値切り交渉不成立で、紅橋市場に移動。名刺入れと淡水真珠を購入。祟光(そごう)百貨店に行って6階美食街で昼食。支払う金額を入力してもらったカードで購入する方式。香腸1本5元のつまみが美味。

上から見ると、古い建物が取り壊されて新しいアパート団地に再開発されている様子がよく見える。タクシーで移動していると、市内のいたるところが再開発中だ。道路も広くはなっているが立体交差点付近の渋滞はひどい。人民網の日本語版では、北京415万世帯に自家用車45万台に達したという。驚異的なはやさのモータリゼーションだが、ここに来て乗用車の生産過剰感が出てきたようだ。今年前半期は生産台数89万台、販売台数84万台で在庫が増えているとのこと。

ローヤルゼリーとコーヒーフィルターなどを買って帰室。天麩羅で夕食。粉のせいか、さくさく感が強い。長城ワインと王朝ワインを飲み比べるが、双方かなりのレベル。

9:30、北海学園大学の西川博史さんから電話。なんと夕張メロンの栽培農家とハミウリ栽培を見に新彊に行く途中とのこと。明日会う約束にした。

 <NEXT>