チロル旅日記2
2・19 |
一休みしてまず黄金の屋根があるマキシミリアン博物館の前を通ってインフォメーションに行く。王宮に近い旧市街の中心部で、実に綺麗な建物が並んでいる。色合も美しいが、窓が出窓になっていたり、化粧破風になっていたりで、造形的にもすごい。吊るし看板も良い。ここの通りは、建物に組み込まれて通路がある方式で、ベルンなどと同じ造り。 インフォでインスブルク・カード(@21E)を購入、おばさんに各地への行き方を教わる。スキー場に行くことにして、路面電車に乗るが、方向違いで乗り換え、ケーブルカー乗り場へ。ケーブルカーでイン河を渡って昇り、途中、アルプス動物園入り口で停車、さらに昇る。ロープウエーに乗り換えて、1900mまで昇り、もう一本ロープに乗って、2300mのハーフェレカー峰に。ロープは、スキーヤーとボーダーで混んでいるが、ゲレンデは空いている。最上部のスロープは難コース。リフトは2本あるだけの小さなスキー場だ。上からは街が一望でき、ジャンプ台も見える。寒いのでそうそうに下山。 街を巡回する小型観光バスに乗りそこなったので、路面電車でジャンプ台近くまで行き、そのまま旧市街へ戻る。カフェ・ムンディングで、ハウストルテとマスカルポーネトルテ、コーヒーを賞味。トルテは、凝りすぎの感じだが美味しい(チップ共で13E)。 デパートに行くともう閉店。みやげ物屋を除く小売店は、スーパーも土曜日は5時で店じまいする。美しい建物を鑑賞し、ウインドウ・ショッピングをしながら帰室。人出が少ない感じで、観光客も日本人は見かけず、中国系の団体が目立つ。 風呂に入って昼寝。8:00、夕食に出る。最古の建物の中のレストランへ行くが休みで、ゴオルデナー・アドラーは満席、王宮脇のシュティフツ・ケラーに入る。猪のブドー酒煮、野菜のグラタンに赤ワイン2種、アップルパイ(36E)。料理は塩辛すぎ。猪のブラーテンには、クランベリーソースとブドーが添えてある。アップルパイは、バニラソース掛けを注文。恵子の予言どうり、薄いカスタークリーム掛けで、あまり良くない。
アドラー・ホテルの有名宿泊者名簿石板をながめ、旧市街の夜景を楽しみながら帰室。 |
2・20 |
王宮は、マリア・テレジアが改装したバロック風の宮殿。大きなホール、数多くの部屋、廊下は無いから、部屋を通りぬけることになるのか? 日本の短大の修学旅行らしき一団がいる。若い女性に囲まれて、若い先生も大変だろう。 小型のサイトシーイング・バスで、アンブラス城へ。鎧・槍・刀などのコレクション、美術品のコレクションを見る。主城では、ホールや風呂、教会。ジャンプ台を眺めながら、マリア・テレジア通りに戻る。 チロル博物館に行く。民具・大工道具・糸車・織機・衣装・ミニハウス・実物大のいろいろの部屋など、見事な展示だ。1m前後の長いカンナが珍しい。あれなら平面削りがうまく行くだろう。同じ建物の別室に、クリスマスのパノラマが各種ある。宮廷教会に入ると、マキシミリアン大帝の棺と等身大の家臣・婦人のブロンズ像がある。棺は空っぽとのこと。開いていたハム店で、チロルの生ハムを購入(5パック、60E)。 ホテルで荷物をとって駅へ。サンアントンまでの切符と帰りのウイーンまでの切符を買う。カフェでコーヒーとサンドイッチの昼食(10E)。2:39のバーゼル行き列車に乗る。3:49、サンアントン着、タクシーでホテル・ファーナーへ(8E)。チェックインして一休みしてから、町へ。スキーセットを借りて置き場に預ける(5日間、330E)。スキーパス(286E)を買って、ATMで200Eおろす。昇り道を戻るが、かなりの距離。 7:00夕食。トマトスープとサラダはセルフサービス。ナッツ入りのコンソメ・ゼリーと鶏胸肉のグリル、ティラミスは持ってきてくれる。白ワイン1/2、赤ワイン1/4。料理がくるまでに時間がかかり、眠くなる。今日のメニュを印刷して、明日の天気予報を入れている。
ネットで元にメール。すこし勝手が違うマシンで、15分0.5E。ホットメールの日本語サイトに行くので、読めない。見当を付けながらボタンをクリックしたから、うまく送信できたか分からない。 |
2・21 |
足ならしのためリフトで昇って緩くて長いコースを滑ってみる。雪は少し重い感じで、曇りで凹凸がはっきりしなく、二人とも転ぶ。起き上がるときに息切れするのだからいやになる。下からGampen行きのキャビンに乗り、リフトでKapallへ。広いゲレンデのeasyコースを滑る。雪質は最高に良いが、スキーヤーが多すぎて、のんびりできない。ボーダーよりもスキーヤーが多く、みなさん、さすがに上手だ。けっこう飛ばし屋がいるので、危ない感じになる。これでは、日本のスキー場と変わらない。曇りで展望も無く、雄大さも感じられないから、いささか期待はずれ。 少し早めにロープウエーの途中にあるレストランで昼食。水、スープ、シュニッツエルで18.2E。具沢山の野菜スープにじゃがいもを敷いた豚肉のステーキ。水小ビンで2.2Eは高いが、料理は良い。出るときにはお客で一杯になった。 Galzigへのロープウエーに乗る。次のGalluga Gratへのロープウエーは敬遠して、St.Christoph方向に滑る。人が少ないことを期待したが、こっちも人ごみ。リフトでGalzigへ戻り、広いゲレンデを東に降りる。Osthangのリフトで戻る。このピステは幅が広くて滑りやすい。Galzigのレストランで休憩、コーヒーとファンタオレンジ(5.3E)。セルフサービス方式の広い食堂だ。 St.Christophへ降りて、午前とおなじリフトでGalzigに戻り、9・4・1とeasyコースを滑って麓に降りる。 スキー靴を履きかえると足が楽になる感じを久しぶりに味わう。街を歩いてスーパーを見つけ、ワイン・ビール・ポテトチップ・キャンディとチロル風生ハム2種を購入(20.21E)。ホテルとレストラン、スポーツ用品店とみやげ物店、銀行などが並ぶメインストリートにスキー客があふれている。いささか雑多な印象の街で、グリンデルワルトのような趣はない。 重い足を引きずりながらホテルに戻る。ビールと生ハムで一息入れる。Kareeschinkenのほうが燻製が軽いようで口に合う。風呂に入ってひと眠り。 7:00夕食。クリームスープは美味しいがやはり塩辛い。サラダバーは昨日と同じ。メインは、フォンデュー・シノワーズ。コンソメスープをアルコールランプを熱しながら、薄切り牛肉を煮て、4種類のソースで食べる。マダム・ファーナーに、中国にはこんな料理は無いというと、フレンチだと言う。しゃぶしゃぶから派生したフランス料理だ。脂肪のない赤身肉で、肉自体の味ではとても日本人に向かないが、こうすればまあまあの味になる。付け合わせはフレンチ・フライで、後ろの席のアメリカ人は喜んでお代わりを頼んでいた。デザートはアイスクリーム。
部屋でワインを飲もうと、食事は水で済ませたが、眠くてそのままベッドへ。 |
2・22 |
8:45出発。Lechに向かう。無料バスが分からないので、ポスト・バスで片道7.2E。雪崩防止屋根のついた山際の道を走る。St.Christoph、 Stuben、 Zuerを経て Lechまで約40分。 リフトを乗り継いでKriegerhornへ。2番目のリフトのシートが暖かいのでびっくり。さすが高級リゾートだけのことはあると感心。少し降りて Hochlichtへのリフト、これも暖かい。ゲレンデが広く、人も少なめなので、快適な滑りを楽しめる。Juppenspitzeの下までのRotschrotenリフト、これは暖かくない。降りると、終点がリフトのWeibermahdリフトに乗る。降りてロープウエー終点のあたりで昼食。紅茶、スープ、スパゲッティで22E。 リフトで昇り、Hasensprungリフトに乗り継ぐ。ここは単調なコース。もう一度Rotschrotenリフトに乗ってから、下まで降る。もう一度、Kriegerhornまで上がって、ゆっくり降りる。空いていて良いゲレンデだが、コースが短く、スイス・アルプスのような長いルートの楽しみは無い。3時を回ったのでバスで帰る。無料バスが無いので、また、ポスト・バス。これなら往復券のほうが得だった。おまけに、恵子がバスで小銭入れを落としたから、高くついた。 ホテルで聞くと、無料バスはZuersまでしかないとのこと。やはり、情報は大切だ。歩いていると、小石を積んだ小型トラックが、道に小石を撒きながら走っている。滑り止めに小さな角張った小石を撒くのだ。帰室して、ビールと生ハムで一杯。昼寝。
夕食は、コーン・ポタージュ、ローストビーフのマリネ、サラダ、子牛のグーラッシュ、レモン・ケーキ。ポタージュは塩辛すぎ。部屋に戻って、ベランダの雪でワインを冷やす。オーストリア、Kremstalの
Kabinettクラスの
Riesling。さっぱりしてフルーティな飲み口が良い。6.4Eは手ごろな値段だ。 |
2・23 |
セルフ方式で、クネーデル・スープとソーセージに水(14E)。パンとベーコンを丸めた大きな団子がひとつ入ったスープはボリュームたっぷり。ソーセージは沢山フレンチフライが付いている。青空にうす雲がかかり、きらきらと雪片が舞う。きれいな雪印だ。 すこし下りて、Muggengratへリフトで上がる。このあたりの斜面は岩や樹木が無く、比較的なだらかなので、新雪を滑るシュプールのあとがいたるところに模様のように付いている。ここでも一部歩きの長い下り。ところが、最後が、次のコースに接続していないので、小雪原を歩く。おまけに最後はちょっとした昇りで、横歩きでひと苦労。 Madlochリフトは赤コースだけなので、恵子は敬遠して下で待つ。一人で滑り始めると、新雪に入り込んでしまい、そのまま斜滑降するが、転倒。かなり下のコースまで、無様にボーゲンで下りる。リフト沿いで、いささか恥ずかしいが、新雪にシュプールを描く技は身に付けていないから仕方が無い。 歩き疲れたし、元のフライトの無事も確かめたかったので早上がりにする。ポストバス乗り場でかなり待たされる間に青色の地元バスが頻繁に通る。バスを降りてからインフォメーションで尋ねると、Lech と St.Christophはずれの Alpe Rauzの間に往復バスがあり、スキーパスが有効とのことだった。この情報も早めに仕入れておくべきだった。宿の主人の情報も不正確なことが分かった。 帰室、CNNニュースを見るが、飛行機事故のニュースは無いので安心。ビールを飲んで昼寝。 夕食は、クリームスープ、アーベルグ生ハム、サラダ、白身魚のロール、プリン。生ハムはこの土地のものらしく美味しい。魚はSeezungenと書いてあるが不明。舌平目か?
戻ってから、白ワインの残りを楽しむ。冷やしておいたバルコニーからは、オリオンが美しい。今日のメニューに書いてある天気予報では明日は薄曇りとのことだが、今夜は晴れだ。 |